障がいの困難さも目立ちますが優れた能力が発揮されている場合もあり、周りから 見てアンバランスな様子が理解されにくい障がいです。養育環境ではなく脳の機能障 がいによるもので、どんな能力に障がいがあるか、またどのくらいの程度なのかは人 によって様々です。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)の特性
年齢あるいは発達に不釣合いな注意力及び衝動性、多動性を特徴とします。次の3つ の症状が通常7歳以前に現れます。うっかりして同じ間違いを繰り返してしまうことがあります。(注意力散漫)
おしゃべりが止まらなかったり、待つことが苦手でうろうろしてしまったりすることがあります。(多動性)
約束や決まり事を守れなかったり、だしぬけに行動してしまうことがよくあります。 (衝動性)
学習障がい(LD)の特性
全般的な知的発達に遅れはないのに、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推 論する」能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難があります。音と文字のつながりを理解することや文字の視覚認知等が困難であるため、読むことや、書くことが極端に苦手であったりします。
数字の認識や算数の基本となる概念を理解すること等が困難であるため、計算を行ったりすること等が極端に苦手であったりします。
自閉症・アスペルガー症候群その他広汎性発達障がいの特性
相互的な対人関係の困難さ 相手の気持ちを理解したり、相手の立場に立って物ごとを考えたりすることが苦手で、周囲の人と共感的な関係を築くことが難しいです。また、初対面の人と親しい人 とを区別したかかわりが苦手で、社会的距離感が上手にとりにくい傾向があります。
コミュニケーション能力の遅れやかたより 他人に意思を伝えること、理解することが苦手です。やり取りが一方通行になったり、例え話を理解できずそのまま受け取ってしまい困ってしまうことがあります。
反復的で常同的な行動、興味、活動 変化に対応することが苦手です。同じ行動パターンや興味にこだわったり、場所、時間や道順の変更やルール違反などを極端に嫌ったりすることがあります。変化に対 応できない時は混乱し、パニックを起こしてしまうこともあります。
「なぜできないのか」でなく、具体的に示しましょう
障がいがあるために困難なことを「なぜできないのか」「怠けているのではないか」 と見られるのはつらいことです。どうするとよいか抽象的な表現を極力減らし、短い 文で、順を追って具体的に伝えましょう。事前に見通しを示しましょう
「知らないこと」「初めてのこと」や変化に対応することが苦手です。言葉だけでな く、絵や写真も使ってあらかじめ本人が納得するように見通しを示しましょう。落ち着ける場所に誘導しましょう
状況の変化に柔軟に対応できず、「ひっくりかえる」「泣きわめく」「飛び跳 ねる」などのパニック行動が起こることがあります。そのような時は、落ち着 ける場所に誘導しましょう。思い込みで判断せず、見守ってみましょう
「通行する人を無表情で見ている」「ぴょんぴょん跳ねたりする」「ひとつの ことにこだわる」など誤解されやすい行動をする場合があります。そのような 時は、思い込みで判断せず見守りましょう。